2006年07月23日

再開のお知らせ

 前回の書き込み以来,実に半年以上も空いてしまいました.見に来てくださっていた方には申し訳なく思っています.

 CDやDVDはそこそこ購入していたのですが,時間的にも精神的にも文章にする余裕がない状況が続き,こんなにも長くお休みしてしまいました.

 ペースは相変わらずゆっくりですが,お勧めするCDやDVDの情報の掲載を再開したいと思います.

 今後とも御ひいきにお願いしますm(_ _)m


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2005年12月29日

現代風の”英雄の生涯”〜ラトル/ベルリンの”英雄の生涯”

【このCDの購入理由】
 R.シュトラウスの交響詩と言えば,”英雄の生涯”をはじめとして,どれもドラマチックな楽曲ですが,金管楽器,特にホルンが大活躍する曲です.いまやベルリン・フィルのホルンセクションと言えば世界最強のホルンセクションであり,ホルン吹きの私として,”英雄の生涯”のリリースは今のベルリン・フィルで最も待ち望んでいたものでした.

【CDのレビュー】
 ラトル時代になってベルリン・フィルの最も変わった点として,サウンドがシャープになり,音楽が鮮明になったことがあげられます.カラヤン時代をはじめとして,かつてのベルリン・フィルは絢爛豪華なサウンドを聴かせてくれていましたが,悪く言えば,豪華さが鼻につくようなところがありました.ラトル時代に入ってから,特に最近の録音を聴く限りでは贅肉が取れたように各楽器の音がより鮮明になりましたね.もともと世界最高のオーケストラでしたが,さらに磨きがかかり輝きを増した,といったところでしょうか.

 さて,今回の”英雄の生涯”ですが,ラトルのこの曲へのアプローチは必要以上に歌い込まない,実に現代風の英雄のイメージになっており,時代に合わせた演奏と言えます.また,各楽章もタイトルそのままであり,英雄やその妻,敵といった登場人物,戦場の場面などのキャラクター付けが非常にはっきりしていて,大変わかりやすい演奏となっています.全体のサウンドのシャープさに加えて,各楽器が非常に良く鳴っていることもキャラクターを鮮明にし,音楽を分かり易くすることに一役買っているようです.

 さて,注目のホルンセクションですが,期待を裏切ることなく,その高いパフォーマンスを聴かせてくれています.英雄の冒頭のモチーフからすでに引き込まれますが,随所に現れる甘いソロに聴き惚れ,そして”英雄の戦場”,”英雄の業績”に見られる豪快なセクションサウンドに圧倒され,ホルン吹きにはたまらない至福のひと時です.

 ラトル時代の円熟期の到来を感じさせる一枚です.また,最強のホルンセクションを堪能できる,世のホルン吹き必聴の一枚です.

【このCDの聴きどころ】
・ラトル時代でシャープになったベルリン・フィル・サウンドの変革
・キャラクターのはっきりした現代風の”英雄の生涯”
・世界最強のホルンセクション



R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ラトル(サイモン) ラトル(サイモン) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

東芝EMI 2005-11-16
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posted by ぶちねこ at 21:19| Comment(0) | TrackBack(1) | クラシックのお奨めCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月30日

プロフェッショナルの集中力〜大阪市音楽団の「宇宙の音楽」

 大阪市音楽団が今年6月にスパークの”宇宙の音楽”の吹奏楽版を世界初演した際のライブ録音がCD化されました.この演奏会,大変な反響を呼び,私もCD化を心待ちにしていたものです.では,早速,レビューしていきましょう.

【アーティスト紹介】
 大阪市音楽団は言わずと知れたプロの吹奏楽団です.近年,積極的にCDをリリースしており,本サイトでも紹介した”アルプスの詩”などの演奏会のライブ録音はいずれも高い評価を受けています.

【このCDの購入理由】
・スパークの”宇宙の音楽”の吹奏楽版世界初演であり,その演奏の素晴らしさが反響を呼んでいた.
・カップリングに”ミス・サイゴン”はプロによる初の録音であり,そのアプローチが注目される.

【CDレビュー】
 まず,このCD一曲目を聴いた瞬間から”ピン”と張り詰めた緊張感が漂っており,この緊張感はこのCDの全曲に渡って感じられます.この手のライブ録音盤は,どこかで集中力が途切れる瞬間があるもので,そう言った”粗さ”もライブ録音盤の”味”の一つではありますが,このCDにはそういった箇所が一つもありません.大阪市音楽団がこの演奏会に臨んだ集中力がいかに高かったかを物語っており,そう言った演奏をCDとして手にできることを幸せに思います.

 世界初演という重責もあってか,”宇宙の音楽”ではさらに集中力が高まっていることが感じとれます.冒頭のホルンのソロは,プロでも緊張する場面ですが,見事に歌い上げ,圧巻の演奏です.このホルンのソロだけでも一聴の価値ありです.

 ”宇宙の音楽”は以前紹介したヨークシャービルディングソサイエティというブリティッシュバンドのために書かれた曲であり,したがって,今回の録音は吹奏楽編曲版ということになります.このようにブリティッシュから吹奏楽に編曲された曲は数多くありますが,ブリティッシュの原曲を聴いてしまうと,どこか不自然な部分があってガッカリすることがあります.それは,曲の持つイメージと吹奏楽のサウンドが合わないことと,ブリティッシュのテクニカルな動きを吹奏楽の楽器が構造上こなせないことに起因します.今回の”宇宙の音楽”に関しては,スパーク自身のオーケストレーションが素晴らしいこともありますが,大阪市音楽団のサウンド構築力が素晴らしく,ブリティッシュ版にはない,ダイナミクスの幅とサウンドの奥行きが加わって,この曲のテーマである”宇宙の壮大さ”がより強調されています.また,演奏テクニックも申し分なく,ブリティッシュの原曲と見劣りしない素晴らしい演奏となっています.

 ”宇宙の音楽”は20分近くあって,技術的にも難曲であるにも関わらず,終盤のコラールからエンディングまではよくコントロールされており,感動的なクライマックスを作り上げています.

 また,カップリングの”ミス・サイゴン”は各部の歌いこみが絶妙であり,そこに大阪市音楽団の豊かなサウンドが加わって,大変素晴らしい演奏に仕上がっています.この曲は吹奏楽コンクールの自由曲として大ヒットしている曲ですが,今後,このCDの演奏が”ミス・サイゴン”の良いお手本となることは間違いないでしょう.

 このCDの収録曲はどちらかというと難解な曲が多いですが,大阪市音楽団の高い集中力が聴き手をグイグイと曲に引き込んでいくため,聴き手を飽きさせません.プロフェッショナルの集中力を体感できる,吹奏楽ファン必聴の一枚です.

【このCDの聴きどころ】
・プロフェッショナルの高い集中力で演奏された圧巻の”宇宙の音楽”
・ブリティッシュ版と違い,サウンドの幅と奥行きのある吹奏楽版の”宇宙の音楽”
・コンクールのお手本としても素晴らしい”ミス・サイゴン”



宇宙の音楽<吹奏楽版世界初演ライブ>/指揮:山下一史/大阪市音楽団
posted by ぶちねこ at 15:48| Comment(2) | TrackBack(1) | 吹奏楽のお奨めCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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