2005年09月28日

吹奏楽の本質〜なにわウィンズ2005

【アーティスト説明】
 なにわ《オーケストラル》ウィンズは主に関西のプロのオーケストラ奏者が集まったヴィルトーゾ・ウィンドオーケストラを,淀川工業高校吹奏楽部の名物指揮者である丸谷先生が振るという,年に1回の企画もので,今年が3年目になります.

【このCDの購入理由】
・前回,前々回の演奏も素晴らしく,最新作も迷わず購入しました.

【CDレビュー】
 まず,3年目ということもあってか,サウンドが程よくブレンドされ,雑味のない大変すっきりしたサウンドになったと思います.このサウンドが,今回の少し軽めのプログラムと非常によく合っています.

 前半の3曲(イギリス民謡組曲,ゲールフォース,フランス組曲)は,とにかく明るく軽快な演奏であり,まったくストレスなく自然に聴くことができます.「午後のひと時にお茶でも頂きながら聴く」,といったシチュエーションがよく似合う,上品で素晴らしい演奏です.

 また特筆すべき点として,イギリス民謡組曲のトランペット・ソロが秀逸で,甘く軽やかな音色がとても印象的です.

 これだけ明るく,爽やか系のサウンドが出来上がってしまっていると,後半の”吹奏楽のための神話”のようなちょっと重めの曲は,曲とサウンドがマッチしておらず,もったいない印象を受けました.

 一方,なにわウィンズのもう一つの真骨頂と言えば,アンコールのポップス演奏.オーメンズ・オブ・ラブにあるクラリネットの難しいメロディーを,こんなに正確かつ軽やかに演奏しているのを聴いたのは初めてです.彼らにしてみれば「朝メシ前」といったところでしょうか.

 吹奏楽業界はコンクールが牽引していることもあり,シンフォニック志向の濃い音楽が注目されがちです.それはそれで,吹奏楽の可能性の一つであり,私も嫌いではありませんが,重量級の音楽ばかり聴いていると,少々疲れますよね.このCDは素敵なサウンドにより吹奏楽が本来持っている明るさ,爽やかさが全面に出ており,「吹奏楽っていいなぁ」って再認識させてくれる,素晴らしいCDだと思います.

【このCDの聴きどころ!】
・吹奏楽本来の良さに気付かせてくれる,明るく爽やかなサウンド
・甘く軽やかな絶品トランペットソロ
・アンコールも完璧なポップス演奏



なにわ<オーケストラル>ウィンズ 2005(通常盤)


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2005年09月20日

CD選びのコツC〜演奏タイムで予想する

 音楽の印象を決定付ける要素として,テンポ設定がある.

 テンポが早ければ,気分が高揚し,テンポが遅ければ,気分が落ち着く.

 激しい感情を表現する曲であれば,テンポがより早いほうがより激しさを強調します.安らぎや悲しみを表現する曲であれば,テンポがより遅ければ,より心にしみる演奏になるものです.

 逆に,通常,早いテンポで演奏される曲が少しゆっくり目のテンポで演奏されると,落ち着いて上品な印象に変わります.通常,ゆっくり演奏される曲が,速めのテンポで演奏されると決然とした緊張感が与えられます.

 表現とはまた別の評価になりますが,熊蜂の飛行やルスランとリュドミラなどのアクロバティックな曲は,限界のテンポの早さで聴いてみたいものですよね.

 そこで,CDの背表紙を良く見ましょう.CDの背表紙に記載されている各トラックの演奏時間を比べれば,大まかなテンポ設定を推測することができます.

 実際には,テンポは曲中,刻々と変化するものではあるが,10分の曲でトータルタイムが30秒変われば,聴いた印象はかなり異なるはずです.

 だから,いざ,CDを選ぶ時にはトラックタイムから中身の演奏を予想して,自分の好みや,求めている演奏とマッチしそうなものを選択するわけです

 テンポというものは,曲の印象をかなり支配的に左右しますので,こういった言わば”山勘”的な選び方でも,まんざら外れることなく,自分の好みの演奏に行き着けるものです.

 アーティストの得意分野やサウンドの傾向,といった予備知識に加え,こういった”読み”の技術が加わると,好みの演奏に巡りあえる確率はグンと上がりますので,是非,覚えておいて欲しい知識ですね.
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2005年09月17日

CD選びのコツB〜御当地アーティストで聴く

 よく,親日家の外国の方が日本の民謡などを歌ってみせたりしますが,我々日本人が聴くと「お上手ですね」と言いながらも,どこか違和感を感じてしまいます.それはやはり,細かな抑揚や節回しが異なるからでしょう.こういったものは民族固有のものであり,音符や表情記号では表せませんからね.

 こういったお国柄の違いは,勿論,クラシック音楽においても存在する.

 特に,このお国柄の違いが顕著に現れるのは,何とも言えない柔軟かつ軽快なフランス音楽,何処か枯れていてノスタルジックな東欧・ロシア音楽,ほとばしる情熱のスペイン音楽などでしょうか.

 勿論,独特な色を持った作品を得意としているアーティストがいることは事実ですが,もっと手っ取り早く,本場の香りに触れる方法があります.

 それは,その曲の生まれた国の御当地アーティストで聴くことです.フランス作品ならフランス人の指揮者,フランスのオーケストラ,というように.

 先にも述べた通り,曲の持つお国柄の違いは民族固有のものです.つまり,生まれ持った血,育った環境によって作られたものです.だから,このお国柄の特徴を完璧に出せるのは,当たり前だけど,その国のアーティストである.厳密に言えば,それ以外の国のアーティストはものまねで,お国柄の特徴を再現している,ということになる.したがって,超一流のオーケストラであるウィーンフィルやベルリンフィルでさえ,フランスやスペインの情緒は完璧には再現できない.

 だから,御当地アーティストの演奏は,ある意味で,その曲を演奏するに当たっての正解の解釈であると言えるでしょう

 実際,「なるほど」と思える新しい発見が満載です.

 楽曲の本質に迫るためには,御当地アーティストの演奏を是非,コレクションに加えて欲しいですね.
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2005年09月10日

CD選びのコツA〜好きなアーティストで選ぼう

 前回に引き続き,CD選びのコツを紹介します.

 ある曲のCDを購入する際,1枚目は前回の”CD選びのコツ〜参考書で予習しよう”で書いたように,レビュー本に載っているような名盤中の名盤から選ぶことをお勧めします.

 では次に,別の解釈の演奏を聴きたい場合は,何が基準になるでしょうか?

 クラシック音楽のアーティストは様々な曲をこなしますが,そんな中でも得意,不得意なレパートリーがあります.しかしながら,好きな曲は好きなアーティストの演奏で聴いてみたい,というのが心情ではないでしょうか.それが,たとえ得意分野のレパートリーでなかったとしても.

 ドイツのオケ,ドイツの指揮者のフランス作品なんかは,あまり相性がいいとは言えませんが,カラヤンの熱烈なファン,ベルリンフィルの熱烈なファンなら,そんなことはお構い無しですよね.

 私などは,バーンスタインとカラヤンの演奏,どっちにするか迷った場合は必ずカラヤンを購入しますし,ベルリンフィルとウィーンフィルの比較の場合は,必ずベルリンフィルを選びます.

 理由はただ一つ.そちらのアーティストの方が好きだからです.

 この場合,演奏の良し悪しという評価基準ではなく,このアーティストならどんな演奏になるのか,という部分が評価基準になります.ベルリンフィルのホルンセクション好きの私としては,どんな楽曲においても,ホルンがどんな音を聴かせてくれるか,というところに注目してしまいます.

 また,お気に入りのアーティストのCDが増えると言う点では,それが一つのコレクションとなる,というメリットがありますね.

 迷ったときは好きなアーティストのCDで.自分が最も納得できる判断基準です.
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2005年09月01日

CD選びのコツ〜参考書で予習しよう

 ”聴き比べという醍醐味”でも触れましたがクラシック音楽のCDは,一つの楽曲に対して様々なアーティストの録音が存在します.ですので,購入の際,その中から1枚だけ選ぶのは,CDコレクションの楽しみの一つである反面,非常に悩ましい部分でもあります.

 ”それでは,何を基準にして1枚を選ぶのか?”

 今回はCD選びのコツの第一弾として,参考書を使う方法を紹介します.

 参考書というのは,レコード,音楽評論家の方々が書いておられる”レビュー本”のことです.所謂,”名盤○○選”といった類の本が,それにあたります.

 まったく予備知識の無い状態では,知っている人の意見を参考するのが最も手っ取り早く,確実な手段ですね.

 ところが,この手の”レビュー本”自体がまた,沢山,出版されていて,どれを読んでいいのか迷ってしまいます.

 私の経験上,一つの楽曲に対して,数枚のCDを採り上げて紹介しているレビュー本の方が便利です.1曲に対して1枚しか紹介されていないと,決め打ち的になり,自分の好みにマッチしない可能性が高くなります.複数のCDが紹介されていれば,各々についての特徴と推薦理由が書かれているため,自分の好みに近いものをその中から選ぶことができます.また,同じ楽曲で聴き比べしたくなった時にも,再び参考にできます.

 そこで,私が参考書としてお勧めするレビュー本はONTOMO MOOKの”21世紀の名曲名盤”です.この本は作曲家をアルファベット順にまとまてあって,全部で3巻になります.1巻はバッハからドビュッシー,2巻はドリーブからプロコフィエフ,3巻はプッチーニからヴォルフとなっています.1つ楽曲の対して,10タイトル程度を採り上げ,複数の評論家が点数を付けたものをランキング表示し,各々について解説を載せています.ごく最近リリースされたCDも網羅されていますし,必ずや自分の好みに近いものが見つかるでしょう.

 3冊一度に揃えるのは金額的につらい面もありますが,まずは,自分の好きな作曲家の載っている巻だけ購入して(例えば,ベートーベンの乗っている1巻とか),徐々に揃えていけばいいでしょう.

 ”名盤”というものは,いつの時代でも名盤であり,大体,どのレビュー本を見ても登場するものです.ですので,この手のレビュー本は1回購入してしまえば,ほぼ一生ものですので,参考書というよりはむしろ”バイブル”として持っておいて決して損はありませんよ.


427696130021世紀の名曲名盤 (1)
(バッハ〜ドビュッシー)
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427696148321世紀の名曲名盤 (2)
(ドリーブ〜プロコフィエフ)
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(プッチーニ〜ヴォルフ)
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